狂気の左サイドバック (新潮文庫)のレビュー
都並に惚れなおした。
この世代の代表で好きだったのは都並と柱谷(弟)だったが、都並に改めて惚れ直した。
彼をここまでして突き動かしたものは何だったのか。サッカーへの思い・ワールドカップへの夢、、、と言うことは簡単ではあろうが、これはまさしく「狂気」としかいいようがない。その意味において、一志氏がつけたこのタイトルは、まさしく都並を言い表している。
都並本人が著した「日本代表に捧ぐ」と合わせて読まれることをお勧めする。
彼をここまでして突き動かしたものは何だったのか。サッカーへの思い・ワールドカップへの夢、、、と言うことは簡単ではあろうが、これはまさしく「狂気」としかいいようがない。その意味において、一志氏がつけたこのタイトルは、まさしく都並を言い表している。
都並本人が著した「日本代表に捧ぐ」と合わせて読まれることをお勧めする。
ノンフィクションはこうあるべき
甘えの一切ないノンフィクションは、時に読者に苦痛までをおぼえさせると教えてくれたすごい一冊。10年前に21世紀国際ノンフィクション大賞を受賞した本ですが、今読むと、当時の日本サッカーの盛り上がり様が思い起こされます。何より、都並さんの情熱と狂気は恐ろしいまでのものであり、それを精緻に丹念に書き綴った文章が、時に都並さんの負った苦痛までを自分に伝えてくれます。読んでいる最中はずっと足が痛くなったのは言うまでもなく。サッカーが好きな方には必読だと思いました。
あこがれの選手
~Jリーグ元年、中学のサッカー部でサイドバックだった私は、同じヴェルデイでもカズやラモスのような派手な選手ではなく、クレバーな守備と果敢に攻撃参加する都並選手のプレーに憧れていました。
1993年、W杯最終予選直前の都並選手の怪我は、アジア最高だったディフェンスラインのバランスを微妙に崩し、最後の最後、ドーハの悲劇まで尾を引く結果となりました。
都並本人のはもちろんのこと、チームメイトのラモスや武田、代わって左サイドバックに入った江尻、三浦泰年、勝矢の各選手、武井チームドクターなど様々な人間の想いが折り重なり、このドキュメントを深みのあるものにしています。前回のW杯でベスト16入りし、今でこそ韓国と並ぶアジアの強豪として認知される日本ですが、それは脈々と続けられた敗北と再生の結果であることを忘れてはなりません。
簡易な文体は、非常にスムーズに読むことができます。コメンテーターなどで活躍していた都並さんですが、監督業に専念するために、当分テレビに顔を出さないことにしたそうです。彼の夢の第二幕を応援せずにはいられません。
狂気の代償は…。
アジア最高の左サイドバックと称された都並敏史。彼は日本代表、そしてワールドカップという魔物に取り憑かれていた。魔物の生み出す左足首疲労骨折という悪夢。それは都並敏史に狂気を宿すきっかけとなる……。これは決してフィクションではない。紛れもない事実であり、そこにはリアルを凌駕する狂気が待っている。そして、私も狂気に引き込まれてしまうのだった。
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都並敏史への綿密な取材から、「ドーハの悲劇」の裏側を描き出した力作。都並が激痛に苦しみ、怪我を悪化させながら参加し続けた日本代表とは何だったのか。鬼気迫るものがあり、ひきこまれるようにして読んでしまった。サッカー・ノンフィクションの中で一二を争う名作だろう。
ただ、構成が下手。話がくどいし、表現がオーバーになりがち。ちょっと食傷気味になる。もう少し文章を勉強したら、いい作家になるだろう。