魂の森を行け―3000万本の木を植えた男 (新潮文庫)のレビュー

「森」の尊さが本当の意味でわかりました
この本を読んで、日常目にするちょっとした林や森がいかに尊いものかがわかりました。また「潜在自然植生」とは関係がなく、花粉症なども引き起こす杉やヒノキの植林が、環境保護とはあまり関係のないものであることもわかりました。
さらに、強烈な個性でまわりの人間を巻き込み物事を進めてゆく宮脇昭というひとのものの考え方も、「環境保護」とは関係なしに非常に参考になるものでした。
森のために
 2004年に集英社インターナショナルから出た単行本の文庫化。
 一志氏に独特の緊迫感のある文章で、ぐいぐいと読まされる。ただ、内容の強烈さともあいまって、読んでいてちょっと疲れてしまった。
 主人公である宮脇昭氏は、1970年代から日本の植樹運動の中心となって活躍してきた人物。その植樹は「自然の森」を再現しようとするもので、全国に信奉者を生むこととなった。ただ、一志氏の著作のつねとして、対象にすりよりすぎ、客観的な評価に欠けるので、もうひとつ得心がいかなかった。
 とはいうものの、本書の最大の魅力は宮脇氏の強烈(すぎるほどの)個性。自分の信じる目標に向かって、狂信的なまでに突き進んでいく姿はすさまじい。身近にいたら厭だが、日本の森林にはなくてはならない人と思う。
「鎮守の森」が世界の公用語へ
 友人に薦められて手にした本ですが、面白くて一気に読んでしまった。
「ふるさとの木によるふるさとの森」の再生、植林活動を進める宮脇昭さんの足跡が語られていますが、単なる
エコロジー礼讃ではなく、自然の植物体系における人間の位置付け、人としてこれからの生き方、文明の在り方
等の示唆に富んでいます。
 宮脇さんの学ばれた植物社会学、「潜在植生」からの森の再生そのヒントが日本では「鎮守の森」にあった。
今、その「鎮守の森」がChinjunoーmoriとして世界植物学会の公用語となっている。
 世界の文明は森を破壊しきって滅んで行ったが、日本はそれをしなかった。
 今やっと宮脇さんの考えに世の中が遅ればせながら着いてきた気がします。 出来るだけ多くの方に読んで頂
きたい本です。
すべての人に読んで頂きたい、本当に大切な一冊。
前に発売された『魂の森を行け−3000万本の木を植えた男の物語』が、今回新潮文庫として出版された。内容は、植樹界のカリスマであり、ブループラネット賞受賞者である宮脇昭先生(横浜国大名誉教授/御年78歳)のとんでもない人生を描いた超痛快ノンフィクションストーリー。宮脇先生は生涯にわたり、「ふるさとの木によるふるさとの森づくり」を提唱・実践し続け、国内外で1500ヶ所以上もの森を蘇らせている。今まで、世界中の人と一緒に植えた木の数は3000万本を超え、最近では「3000万本の木を植えた男」としても名高い。そんな世界中の森を再生させてきた、破格で壮絶な人生を描いたのが、この『魂の森を行け』。決して、環境や自然に興味がある人だけに向けられた本ではない。意外と文系の人のほうが理解しやすいのではないかとも思う。植物を知らなくても、環境問題を理解していなくても、全く問題はない。誰にでもわかりやすく、楽しく読める本なのに、極めて勉強になる一冊だ。おそらくは、中学生位からでも読めるとも思う。しかも自然や環境の事だけではなく、人間としてどう生きていくか、これからどう日々の生活を送っていくのかという、哲学的アドバイスまでもが凝縮されている。それは例えば「混ぜる、混ぜる、混ぜる、好きなやつだけ集めない」、「本物とは厳しい条件に耐えて長持ちである」、「過去も夢、未来も夢、今この瞬間生きていることだけは事実」など珠玉の言葉たちだ。森や自然、環境に興味がある人はもちろん、ぜひお子さんをお持ちの方にも読んで頂きたい。これから生きていく上で、どう命を大切にし、どう社会の中で生きていくのか。そして、そのためにはどう自然と向き合い、自分たちが何をしていかなければならないのか。そんなことを宮脇昭という人生を通じてダイレクトに教えてくれるような、本当に素晴らしい一冊。ぜひともご一読を。